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【鬼灯の冷徹】あの世の行い気をつけて【トリップ長編】

第3章 地獄の沙汰も色次第?


「あいたたた…ちょっと、鬼灯君今のはやりすぎじゃないかな?」
無我の境地に足を踏入れはじめた私の前で閻魔大王が腰をさすりながら渋い表情で起き上がり、よろよろと元いた机の方へと進んでいく
「他人の行動を見て笑う方が不謹慎ですよ。」
「いや、でもあれは彼女の記憶の中の映像でしょ?キミが実際踊ったわけでもないのに」
「だとしたら余計にです。」
やいのやいのと私を置いてきぼりにして話を進める二人に眼福を感じながらも閻魔大王は机の前に再び座り、その横に鬼灯様が立つおなじみの裁判状況になった。
大叫喚地獄辺りかな?とか考えながら書類の山と格闘する大王を眺め始めて早10分…長すぎやしませんか?
「書類探しにいつまで掛っているんですか。これだから日頃整理整頓するようにと言っていたのに。」
お小言を言いだした鬼灯様が痺れを切らし机の上の書類に手を伸ばした瞬間、閻魔大王の申し訳なさそうな声が広い部屋に響いたのだ。

「鬼灯君、神楽坂 葎華さんだっけ?…その名前の書類上がってきてないんだけど君の手元にあったりしない?」

その後の展開は私の思いもよらないものだった。
少し眉を動かしたけれどシレっとした顔で「私の所には来ていません、どうせまたその山の中に隠れているのでしょう。」という鬼灯様と「そんなことないよ。この前お香さんにお願いして整理してもらったばかりだから。」と応酬をかける大王。
「何度言ったら分かるんですか。自分の力で綺麗にして下さい!」とか「本当に鬼灯君の方はないんだよね?」とか「そこまで言うなら彼女を呼んで聞いてみましょう」とか「鬼灯様、三途之川のゴミ拾い終わりました」とか「あら、そんな名前の書類は見てないわ」とか「あ、さっきのお姉さん。濡れたままだけど寒くないの?」とか「お二人の今日の業務はお終いです。お疲れさまでした」とかそんなこんながありまして・・・
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