第2章 館の主様
夏葉さんに呼び出されて、やはり話というのは性別について。
ぼくは夏葉さんと仲良くなりたかっただけ。
だから素直に言う。
僕の全身をみて嫌気がさすだろう。
だって誰がどう見たって僕の体は女の子だもの
夏葉さんは「こんな話に付き合わせてごめんね」と言い残し、逃げるように帰っていった。
僕も柳の居る所へ戻った。多分柳はこの事についてどうだったか聞いてくるであろう。
「ただいまぁ〜っと」
「おかえりうるち、その、神龍様とはどの話をしたんだ?」
「ん、夏葉さん?んーとねぇ、仲良くしましょっていう話〜ニシシ」
「ふーん、神龍様も意外とシャイなんだな」
「そーだねぇ〜」
(ほんとは人と関わるのも苦手だけどねぇ……)
「夏葉さんといっぱい仲良くなりたいな〜」
「まぁ、頑張れよ、俺以外の友達も作れ」
「はいはい、頑張るよー」
まぁ、僕は友達が柳しかいない。魔力とか、家系とかで差別されてずっとひとりぼっちだった。
もう今は友達が居たって仲良くできるか分からない。
けど、夏葉さんとは仲良くなれる気がしたんだ
「んじゃ、柳、僕お仕事おわったから自室戻るよー」
「おー、寝るんじゃねぇぞー」
「……ね、ね、寝るわけないでしょ」
「はっw動揺してんじゃねぇかw、寝てもいいがちゃんと起きろよ?」
はいはい と適当に返事をし、自室へ戻った