第8章 幾望
やがてそれが止むと、少し口の中で小さくなっていく。
それが少しさみしかったが、じゅうっともう一度吸い上げてから、口から智を出した。
「やっ…あ…もお…」
少しぐったりして、照れてるのか真っ赤になって。
睨むように俺を見てる。
だから、ごくりと飲み込んでやった。
「あっ…」
目を丸くして。
しばらく呆然と俺を見てた。
「ごちそーさん」
そう言ったら、胸板を叩かれた。
「ば…ばかぁ…」
初めて飲んだ…けど、全然嫌じゃなかった。
それが智の出したものだから、全然嫌じゃなくて。
「俺も…飲む…」
そう言って身体を起こす。
「え。いいよ…」
「飲む!」
「だめ」
「なんで…?」
俺のを掴んだままま悲しそうな顔をする。
「嫌なの…?」
違うんだな…
嫌じゃないんだよ。
「俺も、もう出そうだし…」
「だったら…」
「智の中で、出したい」
「…え…?」
「入りたい」
ぼふんと真っ赤になって。
少し狼狽えたけど、こくんと頷いてくれた。
「足、広げて…?」
用意してたローションを指に出して、智の奥底にあるそこに触れた。
「う…」
「大丈夫…?」
「うん…だいじょうぶ…」
ぎゅっと枕を掴んで、目を閉じている。
もしだめだって言われても…
もう止まれそうもなかった。