第1章 意地悪悪魔さま
朧の今の体には。
至るところに例の光が纏わりついている。
両胸の、先端。
充血した、割れ目の蕾。
そしてルシエルが挿入っている、なかにも。
それは吸い付き、撫で、時には不規則に震えだしたりもする。
「なか、くるし……、の、ルゥ……っ」
「耐えろ、朧。嫌ならもうあんな真似はしないことだな」
「━━━━ッッ」
覆い被さるように、ルシエルの両腕が胸へと伸ばされ。
指先が、先端を撫でた。
「はぁあ……っん、んん!!」
それだけで。
雷に打たれたような電流が走り、光によってもたらされる感覚は、そのまま。
先端をカリカリと引っ掻くよう触れるルシエルの指先と、吸い付き、舐め回す光の感覚。
腰を打ち付けるスピードも衰えることは、なくて。
逃げ道のない快感に、ただただ顔を歪ませて喘ぎ続けた。
涎と、涙と。
顔をぐちゃぐちゃにして泣きわめいてもルシエルは許してくれるはずもなく。
それはルシエルが果てるまで、止むことはなかった。
「………ルゥの、意地悪」
ロープをほどき、動く力の残っていない朧の体を拭いて、服を着せて。
一通り終え、ベッドに腰掛け朧の頭を撫でていたルシエルは、そんな朧の言葉に手を止めた。
「ルゥの、いじめっこ。弱いものいじめは、だめなんだよ」
「………悪魔だからな。弱いものいじめは、得意なんだ」
ぷぅ、と膨れる朧があまりにも可愛すぎて。
知らずに顔が緩む。
「意地悪」
「朧が、悪いんだろう?懲りたら余計な気などまわすな」
「嫌」
「は?」
「嫌、って言ったの」
「………お前な」
呆れてため息しかでない。
こいつほんもののバカなのか?
頭足りないのか?
余計なことなどしないよう、今日はいつにも増して酷く苛めたというのに。
あれじゃ足りない?
「ルゥが犠牲を払うのは、違うと思う」
「……朧」
「あたしはもう、長くないよ。死んだらルゥは魂をとれなくなる。だから今のうちにあたしを食べて、ルゥ」