第2章 アイ・ワズ・アイ
市丸隊長と檜佐木と乱菊
「お願いします市丸隊長!この通りです!」
頭を深々と下げてそう言った九番隊副隊長の檜佐木クンに、困ったなァと笑う。隣で煎餅を食べている乱菊が、にやにやしながらこちらを見ているので額を小突いてやった。人事だと思って楽しそうにして。とりあえず頭を上げてくれと檜佐木クンに言うと、子犬のような目で見つめられる。やめてほしい、そういう顔には滅法弱いのだ。
「瀞霊廷通信で市丸隊長の特集を組ませてほしいんです!」
彼が必死に私に頭を下げる理由はこれだった。なんでも、読者アンケートを集計した結果、私の特集を組んで欲しいという要望が多かったのだとか。確かに、これまで『んなアホな』の連載以外携わったことはなかった。あまり協力的ではなかったかもしれないが、それにしても特集とは。彼の中でのプランを訊いたところ、増刊号として毎月の内容にプラスして私の特集を組みたいのだと言う。その想定されるページ数を聞いて、素直に引いてしまったのはここだけの話である。いや、特集にしてははりきりすぎだろう。
「うーん…そのアンケート結果については素直に嬉しいんやけど…、他にも特集したことない隊長さんらおるやろ?ほら、藍染隊長とか白哉クンとか、日番谷クンとか女性人気高そうやん。砕蜂チャンとかどない?男性人気高いやろ、あの子」
「藍染隊長は数年前に特集済みで、日番谷隊長は来年の特集で話が決まってるんスよ。朽木隊長は絶対断られるんでもう諦めてます。砕蜂隊長は、市丸隊長が特集を受けたら自分も考えてやるって」
「嘘やろ砕蜂チャン!?」
乱菊は言うまでもなく、砕蜂チャンも絶対に面白がっている。がっくりと項垂れた私に、まあまあと言いながら乱菊が圧し掛かってきた。
「ねえ愛美、修兵の件頼み事引き受けるくらいなら私たちのも引き受けなさいよぅ」
「私たちのも…って何スか?乱菊さん」
「女性死神協会が出してる隊長たちの写真集の件よ。ウチも一緒で、この子の写真集が欲しいって声が多くて。なのに愛美ったらなかなか協力してくれないのよね~」