第47章 城駐
城の門をくぐった政宗に城の者達が慌てて出てくる。
「殿!」
「政宗様っ、お帰りなさいませ」
口々に久しぶりの政宗帰還を喜ぶ。
そこへ
「政宗様っ、
貴方ははまた、到着の知らせも出さず」
「小十郎〜、無事戻ったんだから良いだろ」
「城の者は皆心配してるんですよ!」
「へぇ、お前が俺の心配をなぁ」
政宗が意地悪に揚げ足を取り、ニヤニヤと笑っている。
「…っ…そ、それにっ、またこんな時に瑠璃殿を連れて!
女子に無理を強いて…」
小十郎は無理矢理話題を転換した。
「小十郎様、お久しぶりで御座います。
お変わりはございませんか?」
スルッと馬から降りた瑠璃は疲れた様子を微塵も感じさせない、涼やかで張りのある声でそう言って、小十郎に頭を下げる。
「瑠璃殿…
はい、私どもは別段変わりはございません」
小十郎が戸惑い気味に短い言葉を返すと、
「そうですか。良かった」
瑠璃が屈託ない笑顔を見せた。