第42章 政宗、誕生日の噺ー後ー(R18)
「誕生日祝いしてくれた礼だ。
お前が望むだけ俺をやる。
だから、もっと、楽しもうぜ」
楽しむのは政宗も一緒だ。
「…ん…愛してる…政宗」
「俺も愛してる。
地獄までついてこいよ」
勇悦に細められた蒼い瞳と、敬愛に真っ直ぐな銀鼠色の瞳が絡まって
「…う…んっ…」
瑠璃の返事は深い口付けに飲み込まれた。
「三成くん。瑠璃さんと政宗、
今日帰ってくるんだったよね?
準備始める?」
「美弥様。はい、今日帰っていらっしゃる予定ではありますね」
朝餉の席で美弥が三成に祝いの準備について話を振った。
「三成、準備は明日からにしろ」
「信長様?なんで?」
美弥が不満気に信長を見る。
「アイツらが、そう簡単に帰ってくると思うのが馬鹿なのだ」
「政宗には予定はあってない、からな」
秀吉も付け加える。
「まぁ、明日帰ってくれば良識範囲内だね。
政宗さんの性格知ってるでしよ」
家康も箸を動かしながら続ける。
「瑠璃が促して渋々って戻ると言う事もあるな」
信長が笑う。
「まぁ、奴の誕生日だ。気の済むまで好きにさせるんだな」
「えー。それじゃ、いつも何してるか分からない光秀さんと同じじゃないですか〜」
美弥か頬を膨らませ、ブーブー言う。
「お、美弥、いい事言うじゃないか」
秀吉が賛同する。
ハクシュン!
「政宗、風邪引いたの?」
クシュン!
「光秀様、お風邪ですか?」
「「いや、違うだろうな…」」
けれど政宗は
「風邪なら療養してから帰るのも悪くないな?」
「……政宗…流石に、怒られますよ…」
瑠璃が呆れながら笑った。
ー了ー