第42章 政宗、誕生日の噺ー後ー(R18)
「…?…政宗、誕生日には私が欲しいっていったから……」
その言葉に察しの良い政宗はピンと来た。
(思ってる事、ちゃんと伝えてようとしてくれてるのか)
「ちゃんと私の事が解るようにと思って…」
(俺の言った意味、やっぱり解ってたのか…)
途中からやけに言葉にしていた昨夜。
訥々と話を続けて、ようやく覚醒し、
思考がハッキリしてきた瑠璃。
そんな瑠璃を胸に抱いたまま、政宗は話を続ける。
「ごめんな、昨夜……性急だったか?」
「いいえ…政宗はいっぱい待ってくれてたと思う。
私の方こそ、ごめんなさい。
遅くなった…」
瑠璃がすまなそうにするので、
政宗はつい、瑠璃の頭を撫でた。
「いつも…………」
(?ん?何で止まる?)
言い難い事かと、急かさず待ってみると
「……優しくしてくれて…
…ぁ…ありがとうございます…」
段々と消えそうな程 小さな声になりながらも最後まで言って瑠璃は政宗にクルッと背中を向けた。
耳も首も後ろまで真っ赤になっている。