第40章 政宗、誕生日の噺ー前ー
淫欲が抑えられなくなりそうな政宗は突然言った。
「着たままってのも悪くないが、邪魔だな。
上、お前が解け」
「…」
息を零し快感に潤んだ、困惑気味の眼を向ける。
(政宗がーー…)
「俺はしない。
お前が脱ぐんだ」
政宗が脱がせてくれるのでは、と言う瑠璃の思いはアッサリと破却された。
「自ら解いて、お前を俺に差し出せーー…」
その光景はなんと淫靡で甘美だろうか。
考えただけで、政宗は己が更に硬く反り上がるのを感じた。
躊躇いの表情でノロノロと腕を動かす瑠璃に政宗が
「手伝ってやるよ」
と、助け舟ではなく泥舟を出し、
政宗は瑠璃の手を取り結びへと導く。
政宗に誘導され、瑠璃の白細の指先が胸に巻いた帯の端を摘む。
シュルッッ
沙羅の帯が思いがけず鋭い音を立てて解けた。
(あ……)
緩まる締め付け。
「残りはお前が緩めて外すんだぜ」
蒼い瞳の獣が瑠璃を促せば
瑠璃は暗示にかかったように帯に手をかけ、身体からーー…
外し去った。
続