第39章 月がある部屋(R18)
泥濁と快楽の沼に埋まって
力なく横たわる瑠璃の額の髪を分けながら、
優柔に慈愛の眼差しを向ける政宗。
嫉妬、怒り、不信、猜疑
燻っていた全ての黒い感情は浄化された。
息絶え絶えで
グズグズの瑠璃を腕に抱いて
幸せそうに政宗が話す。
「…何時でも、何度でもこんな風にお前を抱きたいと思うのは、
お前だけで、
お前を愛してるからだ…」
「それは政宗の自己解決で自己満足や………」
モゾモゾと腕の中で向きを変えながら
不満を口にする。
「……でも……政宗に されたい私は…
…政宗を愛してるからやと思う……」
政宗の胸に頬を、身体を寄せて、
眠たげな声音で、瑠璃も話す。
(眠いのに…)
「もう寝ろよ」
「んー…でも…勿体無い……久しぶりに政宗…
一緒やのに……フん…ん」
欠伸を噛み殺し、会話を続けようと頑張る瑠璃が可愛いくて仕方ない。
(童だな)
「明日起きても、一緒だろ」
「ずっと?」
「ああ…だから、寝ろ」
髪を梳き、頭を撫でながら話を続ける。
「いやや…」
「シ足りないのか?クク……明日の朝もシてやるから」
「ちが…ぅ…もう…まん…や…」
「分かった、分かった。明日シような」
「……」
返事はなかった。
眠ってしまった瑠璃を確認して、
フッと笑みを零した政宗も眼を閉じる。
白い月を抱いて蒼い夜が落ちた。