第37章 憎悪の結末
瑠璃が光秀の前に出る。
「瑠璃、来るな、何されるかわかんねぇぞ」
政宗が止める。
「……」
瑠璃が目を細めて政宗を見た。
(大切そうにしながら、そんな言い方出来るんだ…可哀想な藤隆姫…)
「姫、私が憎いですか?」
藤隆姫は瑠璃を睨みつける。
「なのに、私の着物を着、私の飾りをつけ、
私になろうと思ったのですか?」
悲哀の声音とは反対に瑠璃は攻めの強暴な瞳で笑っている。
瑠璃の言葉にカッとなった藤隆姫。
「馬鹿を言うで無い!
お前になりたかったのではないわ!
お前を陥れたかっただけに決まっておろう‼︎」
口が滑った。
いや、怒りのままに口にしていた。
「まぁ…」
「‼︎」
藤隆姫が しまった、と思った時には遅かった。
まんまと瑠璃に乗せられたのだ。
「へぇー…じゃぁ、あの、美弥の着物の件、犯人はアンタかもしれないって考えて良いんだ」
家康の声が庭から聞こえた。
「家康…それに、美弥」
家康の背後から美弥がついてくる。
「瑠璃が美弥に何かするはずがないんだよ」
家康が鼻で笑った。