第5章 光秀と参謀
「回転式銃(ピストル)の弾の構造と、断面図です」
瑠璃は静かに、努めてゆっくりと声にした。
「気が利くな。流石、我が参謀殿だ」
光秀様が瑶顔に妖笑を浮かべる。
その笑顔はいつもゾクリと背を寒くさせる。
(全てを見透かされているようで)
「…いえ…」
「どうした、コレで弾丸が完成するかもしれないのだぞ」
「それは……」
私は答えられなかった。
ピストルの弾の構造図…
ただ純粋に、
役に立つならと思って持ってきた。
光秀様の為にと思って持って来た。
けれど、本当は……
よく、考えてみればーー……