第34章 書庫での哀苛(R18)
「何故 貴様が入っておる。
俺が湯を用意しろ、と命じておいたのだぞ」
信長の声だ。
言いながらズカズカと歩いて来て、
ザブンッと湯船に入って来た。
「……少しは隠そうとして下さいよ…」
瑠璃が不満そうに注意した。
「何故だ」
信長は態と問っている。
「私、これでも、女です…」
「勝手に断りなく俺の湯へ入っていたのは貴様だ。
俺がお前に気を使う必要がある」
フンっといつもの偉そうな態度で鼻で笑われた。
「…恥じらいとか」
「そんなもの、持ち合わせておると思うたか?」
「……聞いた私が馬鹿でした」
「そう言うお前こそ、俺の裸を見ても大声も上げず、顔すら背けなんだではないか。
恥じらいはないのか?クククク」
信長に同じ言葉で揚げ足を取られた。
(‼︎)
睨みつけても、言葉をすぐには返せなかった。