第5章 光秀と参謀
瑠璃はゴクリと唾を飲み込んだ。
「良い出来栄えだろう?
お前が2年近くも居ない間に完成させた」
手の中で銃槍をカラカラと回し、
光秀は意地の悪い眼で瑠璃を見てから、
瑠璃の掌に銃を乗せた。
「そうですか…」
(2年…2年も……)
瑠璃の見つめる手の中の銃はとても重く感じた。
(長く…離れていた)
「…光秀様…」
銃から顔を上げ光秀を見る。
「そんな顔をするな。
俺が政宗でなくとも、そう思いそうだ」
光秀が困ったような顔をしてる。
愛しい人、会いたかったーー……
そう言いそうな瑠璃の眼、瞳、
甘えてきそうな唇だった。
「…会いたかった…」
予期せず光秀は口にしていて、冷静な体で自分に驚いていた。
それを悟らせもしないのが、光秀ではある。