第34章 書庫での哀苛(R18)
瑠璃は玉瑛の姿で徹底して政宗と姫を避けていた。
自分に罪も後ろめたい事もない、
けれど、会いたくなかった。
姫と政宗が一緒なのを、
自分以外の女性といるのを見たくなかった。
姫とのやり取りの末、引き下がって、
政宗に何も言わずに城へ移ってからずっとだ。
(くっそっ、瑠璃のヤツ、俺のこと無視しやがってっ)
政宗は瑠璃不足で、苛立っていた。
(しかも藤のヤツ、犬みたいについて回りやがるっ)
興味のない女に付き纏われ鬱陶しさに苛立ちは倍増だ。
(藤のヤツの所為で、全てに集中できない)
政宗の鬱憤は積もりに積もっていた。