第31章 雨降り前の夜(R18)
「政宗…ん…ぁ…政宗…はぁーー……」
掠れた声が、自分の軀の下から聞こえてきた。
乱れた髪の分かれに白い頸(うなじ)が晒されていた。
そっと、唇を寄せ、
ペロッと舌を這わせた。
瑠璃が身体をフルッと振るわせ、
『感じている』ことを示した。
「瑠璃…」
「ンッ!」
強く吸い上げた首に赤い痕が付く。
「なぁ…瑠璃…もっと……イケるだろ?」
堕落した柔らかな身体を、反転させる。
蜜壺から溢れて滴る自分が放った残英にさえ煽られ、再起させられる。
「ああ、好きだ瑠璃。
こんなに思うのはお前だけだ…」
(抱いて犯して…足りない…欲しい…)
全てを取り込んでしまいたい貪暴な思いはーー…
愛と言う欲望の狂気。
「お前はもっと欲しくないのか?」
ニュルっと花弁の間に再立した己を擦り付ける。
「ほら、言えよ。どうして欲しいんだ?」
「……」