第30章 奥州からの一行
「まあ、そうだ…」
政宗は困り果てたような、怒ったような、
それでいて諦めたような表情で、腕を組んで唸る。
「なんで厄介ごとを増やすんですか」
元就と帰蝶が城を崩して行った件も頭が痛いのに、
(色恋沙汰なんて更に面倒だ💢)
家康が政宗を睨む。
「俺が好きでやったことじゃねーだろ」
「そう言う態度だからですよ」
政宗の投げやりな態度に家康が苛々と不機嫌を投げつける。
「あの…」
おずおずと発せられた声。
皆一斉に声の主を見た。
(あ“…瑠璃がいたんだっけ)
秀吉が焦る。
「瑠璃っ、そのっ、なんだ?」
「…藤隆姫は諦められず逢いにいらした風でしたが…
昔、そう言う仲だったんですか?」
「はぁ⁉︎」
瑠璃の質問に、政宗が憤茫の変な声を吹き出した。
他の者は目丸くして瑠璃をみる。