第30章 奥州からの一行
粛静と並んでいる武将達も、各々瑠璃を思ってコソコソ話していた。
(瑠璃、傷ついてなきゃ良いんだが)
(こう言う事くらい、想定してるでしよ)
秀吉の思いやりに家康が素気無く返す。
(泣かれる様でしたら、私が慰めて差し上げます)
菫紫の瞳を柔らかに細めて笑う。
その笑顔に一瞬にして色香が漂う。
(三成、お前、何言ってんだ?)
三成の発言に家康が呆れる。
(三成、甘いぞ。
これしきであの女が泣くと思うのか)
光秀が笑っている。
(確かに…泣くとも怒るとも思えないな)
秀吉、瑠璃について再考。
(まぁ、もし、万が一、泣いたらー…)
(((泣いたら?)))
秀吉、家康、三成が光秀の言葉の続きを待つ。