第23章 朝話合い事
政宗の心内など知っても気にする光秀ではないが、
「約束を反故にするのか」
「約束してないぞ。言い直してくれとも言ってない」
言い合っていると、瑠璃がカチャッと箸を置いた。
「2人共、やめて下さい」
柔らかな声音が、2人を制する。
「食事中に済まない」
「うるさかったか?悪いな」
光秀と政宗が改める。
「光秀様はどうして、私に頼まず政宗に頼むんですか?
そして、どうして政宗が答えるんですか…」
呆れた様子で瑠璃が憤る。
「「お前は断らないだろうが」」
「は?」
「だから、政宗に聞いた」
「だから、俺が断る」
話が噛み合ってるようで噛み合わない。
「わかった。後で皆で話そう」
「答えは変わらないと思うが?」
「そーれーでーも、だっ!」
「ヤレヤレƪ(˘⌣˘)ʃ。瑠璃お前も会議に参加しろ」
2人とも言いたい事だけを言っている。
「光秀様が、説明をしてから私が必要だ、と言わないからですよ」
「説明しても、政宗はお前を貸し出さないと俺は思う」
「あったりまえだっーの」
(貸出すなんて、図書館の本やあるまいし…)
お手上げだとため息を溢し、瑠璃はまた箸を取った。