第23章 朝話合い事
朝、光秀がやってきた。
「光秀様。
朝早くどうなさったんですか?」
「お前の顔を見に来た…と言ったらどうする?」
「信じませんね」
いつもの挨拶を交わしながら、
廊下を歩く瑠璃と光秀。
光秀を見た政宗が驚いて眼を丸くした。
「光秀、朝っぱらからどうした?
朝飯食いに来たのか?」
「あるなら、喰うぞ」
(?なんや、怪しいわ)
瑠璃は内心で訝しんだ。
朝餉の場で光秀が切りだした。
「政宗、瑠璃を貸せ」
「は?貸せ?
貸して下さいの間違いじゃないのか?」
「貸して下さい」
「サラッと言いやがって、コイツ!
誰が貸すかっ」
政宗が腕組みをしてそっぽを向く。
(あの日、あんな事言いやがったくせに、
忘れたような何でもない顔しやがってっ)