第20章 嫌ワレ毛虫来客ス
知ってる事は一緒に楽しめば良い。
知らない事は教える楽しさがある。
戦の話?
お前となら出来るだろ。
少々危ない事くらいなら、止めるどころか嗾(けしか)ける。
そんなお前とは何だって出来る。
喧嘩しても、泣いても、また分かり合えると思ってる。
だから、
「もっと、俺を縛ってくれ。お前の想いで」
再び口付ける。
想いを込めて。
深く絡めた舌と同じように、
絡め取り、絡め取られたいと思うくらい
愛おしい。
着物の襟を開いて、丸くふくよかな胸を掌に収める。
「それに、この軀には教え込むコトがまだまだある」
(俺に口付けられた瞬間から乱れ誘う女に)
「覚悟しろ、いつでも何処でも発情して、
俺が欲しい、って言う軀になるまで愛してやる」
政宗が蒼く獰猛な眼で瑠璃を見下ろす。
(政宗には、そうやって、私を、見ていて欲しいー…)
身体を弄る政宗のその手。
意地悪に淫らな女の瑠璃を暴く。
「政宗ー、私、だけ…見てて…」
「ああ」
深く、深く求める。
「愛してる…まさ…ね…、私だけ、好きでいて…」
純情に酷似した欲望。
(そうだ、お前はもっと貪欲になれ)
「良い子だ。
それを、俺だけに…見せろっ」
久しぶりに政宗は心から満たされた気がした。