第19章 氷も溶ける甘味なコト(R18)
「あんなこと…あんな所で…あり得ないし…もぉ、恥ずかしい!信じられないっ」
反物を包んだ風呂敷をブラブラさせならが上機嫌で歩く信長を後ろ追いながら
美弥がプンスカ文句を言いっている。
「何だ、貴様、今日はなにされても怒らないと言っておったであろう」
ニヤッと笑う信長に、美弥が慌てる。
「あっ、あっ、あれは!
だって、そんなのっ‼︎」
「言ってないのか?」
「い、言いましたっ、けど〜…そんなつもりじゃなかったし」
「そんなつもりも、こんなつもりも。
口は災いの元、発言には気をつけるんだな。
くくくく…はっははは〜…」
信長に大笑いされ、口惜しそうに半ベソで美弥は春日山城下散策を終える事になった。
男達は氷なんかより、格段に甘い甘味を先に味わったのだった。