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《イケメン戦国》未来から来た戦国姫

第16章 秘密事




(そんな顔、俺に見せるな…)

瑠璃の銀鼠色の瞳が心配している、と語っていた。

揺らぎそうになる心を正して、
光秀はまた軽口を叩く。
「大丈夫だ。
この城には俺以上に俺を大切にしてくれる者が大勢いるからな。
勿論、お前を含めてだ」
光秀が柔和に笑う。
「よぉも、そんな、スラスラと…」

(はぐらかしよって💢)

「お互い様だろ」
恨めしいけれど、瑠璃もそれ以上は言わなかった。

(この人の行く道だから、信じる)

瑠璃は心で言って、グッと拳を握ってやるせない気持ちを押し込めた。

光秀の一歩後ろを歩く瑠璃。
その瑠璃の拳を光秀が掴んだ。
「お前が居てくれて、心強いよ、瑠璃」
前を見つめたまま、独り言のように言った。

(荷を背負わせてしまった)

申し訳ない気持ちと、1人で背負わないで良いと思う気持ちが混じり、何とも複雑だった。

「独りじゃないって、心強いですね」
瑠璃は笑った。
光秀もきっと笑った、と瑠璃は思った。


光秀と瑠璃の2人だけの秘密。





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