第15章 些細な出来事と重想
(いつもに戻った?)
湯のせいじゃなく、恥ずかしくて真っ赤になってるのだろう。
(首まで真っ赤じゃん。クククッ)
政宗もいつもの調子を取り戻す。
「そんな、照れるなよ。
初めて一緒に入る訳じゃないだろ〜」
「でもっ、ノック、じゃない……声くらい掛けて下さいよ」
「掛けたら、「入って来ないで!」って言うだろうが」
「…それは…そう言っても、政宗、
入ってくるじゃないですか…」
むくれてくるのが見えないけれど、見える。
「まぁな〜。お前が先に入ってて、
俺が入らない訳ないな」
(届く距離で俺に背を向けたままとは…)
洗い髪は纏め上げられ、綺麗な うなじ が政宗を誘うように見えている。
政宗は瑠璃の後ろに おもむろにしゃがみ込むと、ツゥー と舌をうなじ に這わせた。