第13章 政宗愛抱ス(R18)
「お前も、1枚噛んでるだろ」
「…いいえ」
「か、ん、で、る、だ、ろ」
(言えない…噛んでたなんて。
ごめんなさい…信長様、光秀様)
「いいえ、噛んでません」
キッパリと否定した。
絶対に嘘だとは見抜けない程の真厳な声音。
それくらい強気でなければ、もう政宗は欺けない。
「私は突然信長様に、光秀様と筑前に行け、と言われただけです。
『藤原の名が必要だから』と」
瑠璃は責任を信長になすりつけた。
最もらしい理由。
それは、信長が政宗に吐いたものと偶然にも同じ理由だった。
だから、政宗も疑いを解くしかなかった。
「……そうか…わかった……」
けれど、渋々だ。