第14章 ディスコース
そうしてベンチに一人とり残された私は、また再びため息をついた。
「本当になにしてるんだろう私は…」
轟とのむず痒い会話の終わりに、すっかりなくなってしまった食欲。
そんな中タイミングを見計らったかのように昼休み終了のチャイムが校内に響けば、重い腰をなんとか持ち上げた。
(このまま最終種目にでるのか…いやだな)
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重い足取りでなんとか校内へと戻れば、なぜか慌てた様子の麗日と八百万、そして耳郎を見つける。
『お茶子、どうしたのそんなに慌てて…』
「ああトバリちゃん!一体どこ行ってたん、探したんだよお」
『ごめんごめんちょっと一人になりたくて、それでどうしたの?』
誤魔化すように話題を変えれば、困った顔をした八百万がこちらに歩みよる。
「希里さん、聞いてください。それが…」
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『で…これは一体…?』
「峯田さん上鳴さん、騙しましたわね!!!!??」
呆然とたち尽くせば、ガヤガヤと会場全員から降り注ぐ視線。
正直それも無理はない。
なんて言ったって私含め1-A女子たちは何故かチアリーダーの服を身にまといながら、手には陽気なポンポンを。
そしてそんな格好をしているのは私たちだけで、この場で明らかに誰よりも浮いている。
「バカじゃねえのあいつら!!!」
時はさかのぼる事、数十分前。
困った様子の八百万たちに事情を聞けば、なんでもチアリーダーの服をきて応援合戦に参加しなければならないという。しかしさっき聞いたばかりのため衣装なんて用意もしているはずもなく、どうするか困り果てていたのだ。
『うーん、じゃあ百の創造で作ればいいんじゃない?』
「なるほど、その手がありましたわ!自分の個性なのに気づかないなんて…」
「げ、マジでやんの?」
「でも相澤先生が言ってたんでしょう?やらんといけんのちゃうかなあ」
『それ本当に相澤先生が言ってたの…?』
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