第2章 エンカウント
あれからしばらくして、雄英から合格通知が届いた。
驚くことに私の成績はヴィランP32と、知らされていなかったレスキューP42の合計ポイント74で、総合第2位。
奇跡的に、自分の予想を上回るほどの好成績だ。
合否がくるまで不安と緊張に駆られていた私は、
それを見て全身の力が抜ける。
あの雄英に通える…。
その事実に私は感動で嬉し涙が溢れ、合格通知を握りしめた。
あの名門の雄英ヒーロー科に通える、それだけでかなり、プロヒーローに近づける。
(私は、ヒーローに…ならないといけないんだ)
…
それからしばらくして、居間にいる母に声をかける。
『…お母さん、雄英受かったよ』
雄英合格のことを報告すると、彼女は少し困惑した顔を浮かべそして、
「よかったじゃない…」
と一言、弱々しく笑顔を浮かべた。
『うん』
彼女の作られた微笑みが私の中に再び黒い影を落としたことは、
誰も知らない。
知る必要もない。
(ツバサ…私、頑張るよ…
それでプロヒーローになって、みんなを助けて。
そしたら、いつかツバサに会いに行くよ…
だから、だから――
ゆるして )