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私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第12章 フェスティバル



視線を高く見上げれば、なんとそこには入試の時の仮想ヴィランたちによって行く手を塞がれている。再び私たちの前に立ち塞がった大きな機械はまるでアリでも潰すかのように私たちへとその腕を振るい落とす。

だが先頭にいた轟によりいともたやすく凍らせられしまえば、体制を崩した機械は土砂崩れのようにバラバラと崩れ始める。

『くそ、轟くんめ…』

思わず悪態をつきながら、なんとか鉄の雨を避ける。

このままこの砂埃で身を隠しこのエリアを突っ切ってしまいたいが、そう簡単にもいかず。すぐさま他の仮想ヴィランに見つかれば、躊躇なくこちらへ突っ込んでくる。

猛スピードで向かってくる鉄の塊から逃げるのは、どうやら個性なしでは乗り切れない。

覚悟を決めればすぐさま仮想ヴィラン死角に飛び、機械に触れ後ろの方へと空からテレポートさせ落としていく。

誰にも落ちないよう、しかし少し邪魔な位置に何台か落としていけば妨害の役割も果たすので、それを続けていれば徐々に上位へと追いついていく。

それこそ一気に先頭へとテレポートしてしまえば早い話しだが、それなりの距離を移動するのにはその分のコストがかかるのだ。遠ければ遠いほど演算も難しく体力も消耗するため、今はできるだけ低コストで済む作戦で第一関門を突破していく。




そのままロボットエリアを抜けきれば、今度は目の前に第二のエリアが見えてくる。いくつものロープの張り巡らされている(マイク先生の実況曰く)ザ・フォールと呼ばれた巨大な綱渡りのステージだ。

またもや足が止まれば、すぐさま頭を動かす。

(すべてテレポートしてたら体力がもたない…でも馬鹿正直にロープを渡ったとしても轟くんには追いつけない…)

なにかロープより渡りやすい足場になるようなものを求め、後ろを振り返りあたりを見渡す。しかしこの辺りはなにか使えそうな道具もなければ、ただただ大きな木に囲われているだけ。

(足場…橋…)

どうしたものかと頭をひねりながら、木を眺めていればハッと一つの策が降ってくる。

(…ちょっと強行手段すぎるけど、迷ってる時間はないな)
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