第1章 リフレクション
…
「終了おおおおおおおおおおお!」
大きな声が響くと同時に、足から崩れ落ちる体。
(お、終わった…?)
地面にうずくまり、呼吸を整えようと深く深呼吸をする。
しかし、とうの昔に限界を超えていた私の体は異常な震えと乱れた呼吸で、頭がすっかり回らなくなっていた。
そんな尋常じゃない姿の私をみて心配したのか、いつの間にか知らない人影が寄ってきているのになんとか気づく。
「おい、大丈夫か!?」
『あ、…大丈夫です。ごめん、ハァ…なさい…ありがとうございます、』
「ほんとうか?無理すんじゃねえよ?」
まだ落ち着かない呼吸で返事すると、まるで信じていなさそうな声色が頭上から聞こえる。
声の主を見上げれば黒髪の男子が心配そうな顔つきでこちらを見下ろしていた。
しかし当の本人もまたあちこち体に怪我をしていて、彼もとても大丈夫そうとは言えない。
そのまま彼は少ししゃがめば、私の背中を優しくさする。ほのかに血の匂いがする彼に気づき、それだけ距離が近くなったことがわかった。
(やっぱりすごいなヒーロー志望の子たちは、なのに私はこんなんで、
情けない…弱い…)
悔しさと腹立たしさで残された力で拳を握ると、またそれに気づいた少年が心配そうに顔を歪ませた。