第1章 誕生日プレゼントは…
「いいの!ほら、ケーキぬるくなっちゃうから早く帰ろ!」
ちょっとしたマンションの
かなり上階、1番奥の角部屋が私の家
エレベーターを上がり奥へ導き
鍵を回して部屋へ
1LDKの少し広々とした部屋に旭は大きく口を開いた
「本当に一人暮らししてたんだな…」
「疑うところどこにあるのよー。お母さんは東京で社長やってるし、お父さんはアメリカ。どうしても宮城に居たかった私がわがまま言って借りてきた部屋なんだから!」
「あぁ、そういえばお父さんあの後どうだ?」
「んー?ピンピンしてるよ?結構大きな事故だったのにもう職場復帰してる」
「そうか…よかった」
本当に心配してくれていたのがよく分かる
そういう優しさも…好き。
「適当に座っててー麦茶持ってくるし
あ、テレビも見てていいからね?
私、ちゃちゃっとご飯作るから〜」
ソファに旭を座らせテレビのスイッチをつける
セミロングの髪をポニーに結うと冷蔵庫から麦茶をコップに注ぎ氷をうかべる
「旭…?」
カウンターキッチンからソファを覗くとガチガチに緊張した旭がカバンも下ろさず小動物のように震えていた
可愛い…思わず吹き出してしまいそうになるのを必死に抑え
トレーにグラスをふたつと麦茶のおかわりを並べて旭の元へ行く
「ぁ、ありがとう…いただきます」
ごくごくと喉を鳴らし飲み干すと
グラスを置いた旭と視線が絡む
「じゃあ、ご飯…作るね…ゆっくりしてて」
お互いに顔が真っ赤になりながら私は冷蔵庫にかけてあったエプロンを纏い軽く手洗いをする
多分今…耳まで真っ赤なんだろうな…
残り物と鶏もものさっぱり煮…
昨日から仕込んでおいてよかったー
サラダは…うん、大丈夫そう
深く考えないようにしてテキパキ準備を始める
一応一人暮らし2年目だからこの程度は慣れている
もっと言えばお母さんが仕事の日は基本的に私がやっていたから慣れっ子なのだ