第1章 誕生日プレゼントは…
日が傾き男バレの体育館からぞろぞろとメンバーが帰宅準備をしていた
頃合を見て部室の下で待っていた私は旭を見つけて手を振る
「旭ー!お疲れ様!」
「ヒナ!ごめんおまたせー」
うっすらと残る汗の滴
無意識に旭の唇を見つめてしまう
上気した頬…唇…手…全部が私に触れるかもしれない…
バレないように平静を保たなきゃ
皆に軽く挨拶をして10cmくらい離れたところを私がちょこちょこと着いていく
チラチラと私の足元を見る旭は私に歩幅を合わせてくれている
その姿がたまらなく愛おしい、嬉しい。
「あ、旭…」
「どうした?」
ぎゅっと下唇を噛んだ後意を決して自分の右手を差し出す
「手を…繋いでもいい…?」
「お、おう!」
大きくてしっかりした左手が私の右手を包む。
自然と力を込めてしまう
好き…旭…
この右手から心臓の鼓動が伝わらないか
ちょっと焦ってしまう
他愛も無い話をしながら
私の家近くのケーキ屋さんに立ち寄る
「ホールケーキにするか?」
旭は無邪気な笑顔を向けながら6号のホールケーキを指さす
「バカっ食べきれないよ!」
「ヒナは意外に少食なんだな…」
だから身長が小さいのか、とでも言いたそうに頭をポンポンと軽く撫でる
「ぐ…少しはその身長頂戴よ!」
「あははっそれは無理だな…」
店員さんと目が合ってお互いに笑い合った
敢えてロウソクは買わずにチョコケーキとフルーツロールケーキを買った