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【HQ】初恋は東に進め【R18】

第4章 妬きすぎた好き



いきなり声かけたもんだから
かなり素っ頓狂な顔してた
それもそのはず。本来三年というのは一年にとって畏怖の存在
らしいがそんなことは知らない
というかそれどころではない

「え…あー…はい」

先輩の鈍い反応が癪に障る
初めて会ったときはアタシに少しビビってたはずなのに
今ではしけた顔してる
妙な苛立ちを感じながらも先輩のカバンの肩紐をひっつかみ
引きずるように連れ出し我が部室真下のところまで連れていく

「ちょ、ちょっ!!待った!」

「うるさい!会わせるわけじゃないし黙って!」

誰も見えないような場所に着く
一応うちの部室からは死角になってるからヒナに見つかるようなことはない
声を出し抵抗しようとする先輩に静かに、というジェスチャーで黙らせる

「いいから、聞いて。」

ヒナが部室の窓を開けていつもよりか細い声で歌いだす
その声は、ヒナが持つ力強さの欠片もない
泣いているような、自分を責めてるような
悲しい声だ

―故に、また間違えるなら
  私達には 名前すらないから―

ワンコーラスが終わると小さくヒナのなく声が聞こえ窓が
強く締められた

「…これはアタシのお節介だし、自己満なのも分かってる
 でもさ、ヒナは何でもできちゃうし人一倍責任を感じやすい子なんだ。
 それはパイセンも分かってるでしょ?」

バツが悪そうな顔でうつむいてる
そして小さく頷いている、何回も
なんかちょっと安心した
これ以上はアタシが何かしなくてもこの二人は大丈夫かなって
思うことにした

「パイセン、ヒナはたまーーーに言葉足らずだし、何より
 あんたの事めちゃくちゃ大好きだよ。まだ付き合いが浅いアタシですらひしひし感じるよ
 それは信じてあげてほしい。この先はちゃんと二人で話して
 あと、無理やりカバンを引っ張ってごめんなさい。」

深々とお辞儀をしてアタシは部活に戻るためその場を後にした
結局何がしたかったのかはアタシでも分からないけど
ヒナの気持ちを、歌を聴かせるのが一番早いと思ったんだ
本当に二人がちゃんと思いあってるならアタシにできるのはこれくらいだ
アヤちゃんも笑顔が増えたのにまったく
世話の焼ける子だよ!

その日。ヒナは早めに帰ることになった。
部室で倒れてるところをアタシが見つけた。
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