第4章 妬きすぎた好き
突然だが。アタシは紀田実瑠。
烏野高校軽音部ドラムの天才少女
まぁまぁ!この章だけアタシ視点になるのは許してよ?
本当は出るつもりなんてなかったんだから!
ゴホン。
そんなアタシはヒナの歌声と音楽センスに惚れ込み入部した。
まだまだ浅いがみんなが大好きだ。断言する
先日、そのヒナが珍しく学校を休み、そんで今日ひどい顔で登校したのを見たのだ
初めて見た。あんなに思いつめた顔してるのは
正直…かなり心配なんだ
挨拶しても空返事みたいに軽く済ませて去っていくし
ちょっとムカつくんですけど?
あまりにも苛立ちすぎて一日何も手に着かなくて逆に笑えた
休み時間少し集まった時
アヤちゃんが少し話してくれたけどヒゲ先輩と何かあったそうな!
我が部自慢のヒナに狼藉をはたらいたのか!
にしても、やはり幼馴染だ
アヤちゃんの予想はほぼ当たってたみたいで
喧嘩をしたみたいだ
昼休みにだいたいの話を聞いたときアタシの火山がぐつぐつ
「暴走しないでね?実瑠」
「な、なんでわかったの?!」
いつも飲んでいるバナナミルクの紙パックを思わず握りつぶした
飲み切ってて良かった
「これはヒナと東根先輩との問題だ。僕たちが何かしても失礼だと思う」
「で、でもさ!お昼一緒にいないし、今も部室で苦しそうに歌ってるヒナが…」
言いかけたところでアヤちゃんが遮るように口を開いた
「ごめん。本当は僕のせいなんだ」
「え…?」
「ヒナのお母さんから身辺に注意しろって連絡来てたんだ
多分、あの人が僕を探してるんだと思う。」
あの人。って聞いて思い出した
アヤちゃんを苦しめて、苛め抜いたクズ女
ヒナが助け出して今は一人暮らししてるって聞いたことがあり
その女がまたアヤちゃんに執着してると来たもんだ
本当に気色悪い
「だとしても!きっかけはそうでもさ!このことで二人が苦しむのは違うじゃん!?」
「…僕が浮かれてたんだ…ごめ」
こんな状況に耐えられなかったのか
アタシはベンチから飛び上がるようにして立ち去ってしまった
多分、アヤちゃんのいうことも一理あるが
このままにしておくのも違うと思う
だから、今回の事は口出しさせてもらうことにするんだ
放課後。第二体育館に続く通路にヒゲ先輩の後姿を見かけた
「旭パイセン、アタシは1年。紀田実瑠。ちょっと裏来てくれる?」
