第4章 妬きすぎた好き
その夜をどう一日を過ごしたか
よく覚えていない
感情がぐちゃぐちゃになっているような
妙に冷静のような
ふと時計を見るともう夜の11時を過ぎていた
今日はもう電子ピアノを触る余裕もない
シャワーを浴びようと洗面所に向かい鏡に目をやる
乱れたシャツ、少ししわになったスカート
私が旭をあんな風にしたんだ
自責と後悔が今更頭の中を駆け巡る
「どうすればよかったんだろ…」
虚しく服を脱ぎ捨て熱めのシャワーを浴びる
浴室を出て携帯を見るとアヤから何件かメールが来ていて
流石に返すのは時間的にも迷惑だと思い
そのまま髪の毛を乾かし
ベッドに倒れこんだ
翌日
流石に学校は行けそうにない
目覚まし時計の音も朝の陽ざしも
今はものすごくけだるく感じてしまう
杏歌ちゃんに今日は学校休むと連絡しなきゃだし
一度は起きないといけない
アヤにも昨日の返信できていない
重い体を起こすと着信が鳴る
アヤからだった
『もしもし?ヒナおはよー』
「ん…おはよー」
昨日連絡がなかったから心配でかけてきたみたいだ
『その声じゃたぶん、今日休むよね?学校。』
「流石アヤ。お察しがいい…」
『何年幼馴染やってると思ってるのさ。東根先輩と何かあったんでしょ?甲斐沢先生には言っておくから、今日はゆっくり休んで』
「ありがとーたすかるー」
曲作りとかしてるなよ、とアヤに釘を刺され電話は終わった
勘がいいし、察しのいい私の大事な幼馴染だ
だからこそ私は、強く助けたいっていつも思うんだ
それで傷ついた旭の気持ちは?
私が傷つけたんだ
言わなきゃいけないこと、その選別ができてなかった
だからあんなに
辛い顔をしてたんだ
私は…馬鹿だ。
ソファにもたれ掛り何時間過ぎただろう
気が付くと私は電子ピアノにヘッドフォンをつけて
徐に弾きはじめる。結局私は曲を作ることでしか
自分の気持ちを整理できないんだ
謝りたい。でも怖い。素直に言うべきなのはわかってる
その感情に名前の付けられないモノにして
音を刻んでいく
そして刻まれた音に詩をつけて
形にしていく
その感傷は明日のゴミに出してしまえよ
値踏みする前に話して…
完成するころには日はかなり傾いていた
集中するといつもこうなってしまう。
明日はちゃんと学校に行かなきゃ。
…どんな顔でいけばいいんだろう。
