第3章 ~嫉妬の先には~
「ごめんお母さん、いまいい?」
俺に聞かれたくないのかヒナは少し離れたところに行ってしまった
初めてあんな表情みて少し困惑する
焦ってるような、怒ってるような
しばらくすると電話が終わったみたいで
ヒナが小走りで帰ってきた
「ごめんね!さ、買い物終わらせて早く帰ろ!今日の献立はねー」
さっきの顔付とは打って変わっていつものやさしいヒナの顔だった
何があったのか、どうしたのか、俺にできることはないのか
色々な言葉が頭を駆け巡ったが
何も言えずに黙ってしまった
ヒナのマンションに到着して部屋に入る。
カバンを二人でおろし、洗面台で手洗いうがい。
何度来ても落ち着く
「それじゃぁちゃちゃっと仕込んじゃうからそのあとまたゲームしよ!」
「今日こそ負けないからな!」
セミロングも髪をゆるく縛ると制服の上からエプロンを着て
キッチンに行く
少しこの光景がドキドキする
キッチンのヒナを眺めているとテーブルに置かれた携帯が鳴る
メッセージの表示が少し見えてしまった
≪ヒナ、今いい?菅原先輩が…≫
メッセージがここで切れている
頭の中が一瞬で沸騰した感じがした
「ヒナ、携帯なってるよ…」
「んー?あ、お母さんかな?」
キッチンからリビングのほうに戻ってきて携帯の通知を見ると大きく目を見開いて少し笑みを浮かべてるヒナを見た。
素早く入力をしている
「なぁ、ヒナ。最近俺に何か隠してないか…?」
「隠し事?ううん?してないよ?」
「さっきのスーパーでも、今も。」
「な、何言ってるの…?」
口が、俺の不安を吐き出すように勝手に動く
止まらない。ヒナの表情が苦しい。
「なぁ、なんで俺には何も言ってくれないんだ?」
「何もって…そんな…」
あからさまにヒナが目線をそらす
今までこんなことなかった
ヒナが俺に告白をする前から、何気なく話してたあの頃から
ヒナはいつも俺をまっすぐ見ていた
なのに今は俺からの目線を拒絶してるように見える
嫌だ。
「最近スガの事をよく聞くようになったよな」
「…」
「さっきスーパーでは今まで見たことない顔してたよな」
「…それは…」
「俺、ヒナに何かしちゃったのか?それとも元々俺じゃなかったのか…?」
あぁ、だめだ
「俺は、ヒナが大事で、ずっと俺なりにやってきたと思ってた」
やめろ…。止まってくれ…。
