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あなただけを…

第6章 ➖再開…?➖


=オクタヴィネル寮=


「新入生さん…ココがあなたの自室です。
 女性ですからね…特別に1人部屋です。
 さて、改めましてご挨拶を……
 僕は、この寮の寮長……」

『アズール・アーシェングロット…でしょ?』

彼との会話を少しでも減らす為…言葉を遮った

「……聞き間違いでは無かった様ですね…
 あなたは何者ですか?
 何故、僕のことを?
 僕は君を知らないのに…」

憎悪の情が浮かんだ笑みで牽制してくる…

『さぁ?…自分で思い出せば?
 アズール…いいえ…
 この方がいいかしらね?
 泣き虫な墨吐き坊や…』

君との距離を開ける為に
傷口を抉る様にして言葉を突き刺す

そして…
それは、君の反応を確かめる為でもあった。


「…っ!…どうして…あなたがその事を…」

(この反応を見るに…
 いじめに関する全ての記憶を失った
 訳じゃない…私に関する事だけ?
 だとすれば………)

『教える気は無いよ…もう疲れたから休むわ』

ドアノブに手をかけ部屋へと入る
扉を閉める直前に思い出した様に
彼にワザとらしく告げてみる

『あぁ!そうねぇ…
 契約書の確認でもしてみたら?』

「!?……何故ユニーク魔法の事も!?……」

-ガチャリ -

目を見開いた彼の表情を一瞬だけ見て
直ぐに鍵をかけ…ベッドへと飛び込む…

枕に突っ伏し、抑えていた感情を吐き出す…
誰にも気づかれない様に…声を押し殺し…
両目から溢れ出る涙で濡らしていった…
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