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あなただけを…

第46章 ➖再・お大事に…➖


=図書室=


静かな場所で1人過ごしたかった…

本も持たず、席へ着き
前の机に突っ伏す…

(あぁ…君に伝えれば楽になるんだろうけど
 …違う…伝える事すら許されてない。
 そうだよね……)

ずっとこんな事が頭をぐるぐる回る…
答えの出ない問題…

「こんなところで何をしておるんじゃ?」

聞き慣れた声に飛び起き
其方を向く

『あ!リリアちゃん。
 また悩みの種が…増えちゃって…
 落ち込んでたのよね…力不足よ…。
 帰ったら聞いてくれる?』

「よいぞ。わしの腕枕と子守唄も付けて
 やるとしようかのお?」

『ふふっ…ありがとう。リリアちゃん。
 でも…そこまでは、多分大丈夫かな?』

リリアと談笑していると
悩んでいる様な声が耳に入り
その人物の元へ2人で歩み寄る…

「スパイシーカレースープ
 トマトと唐辛子のスープ…
 ん〜…どれも身体は温まりそうだけど…
 胃に優しくはなさそうだな……」

リリアに目配せして
目の前の人物へと話しかける

『リドル先輩、お久しぶりです。
 何かお悩みですか?』

「え?あぁ…サラ…君か…。
 大会以来…だったかな…?」

『えぇ、そうですね。
 大会以来だったかと記憶してます。
 リドル先輩は、レシピ本ですか…?
 何かご自身で作られるんですか?』

先程の話と
家庭料理のレシピ本を手にしているのが見え
質問してみる

「トレイが…僕のせいでもあるんだけど…」

「あぁ…。トレイのヤツ…
 なんだかんだ言って風邪に抗えなんだか…」

「っ!?あなたは…
 ディアソムニアのリリア先輩…
 何故そのことを?」

「わしら同じクラスじゃからのう…。
 トレイの奴…教室でクシャミを数回
 繰り返しておったからのう」

『へぇ〜。そうなんだ…風邪か…。
 リドル先輩…良ければ私達と一緒に
 風邪に効くスープを作りませんか?』

「え?君とリリア先輩で?
 えっと…料理はできるのかい?」

『ん〜…それなりかと…ね?リリアちゃん?』

「それなり…ククッ…謙遜しおって。
 サラの作る料理は美味じゃよ。
 わしが保証しよう」

「そうなんですか?先輩がそう言うのなら…
 君に頼むとしようかな」


リドルを先頭に3人で歩みを進める…
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