第3章 Kissから始めよう
うわ…
あったかい…
『んっ…ふ…』
やわらけぇ…
『んんっ…ぁ…』
すげーきもちいい…
もっと…
もっと…
『…ん…ぁ…まつ、もと…』
え…
その声、は………
「さ、櫻井っ!?」
飛び起きると、部屋のなかはすっかり明るくて。
カーテンを閉め忘れた窓からは、燦々と爽やかな朝の光が降り注いでいた。
夢…か…
しかし…なんっつー夢…
俺
あいつとガッツリディープキスしてた…
思わず、唇を指で撫でてみる。
一晩経っても、まだ残ってる
あの柔らかくてあったかい感触
初めてってわけじゃないのに
しかも相手は男なのに
今までしたどんなキスより
頭んなかにしっかり焼き付いてしまっていた
「…おい、おまえ。なんでそんなに元気になってんだ…」
ベッドを降りて立ち上がると、いつもよりギンギンに勃起した俺のオレが、ジャージを押し上げて存在を主張してるのが見えて。
これってあいつとキスしてる夢見たから…?
「…朝だから…だよな、たぶん…」
いつもより少し早く学校へ行くと、教室にはまだ櫻井の姿はなくて。
無意識に、溜め息が出た。
って…
なんで溜め息?
これじゃ俺、櫻井に会いたかったみたいじゃん!
天井を見上げれば、もうほぼほぼ出来上がってたメイド喫茶のセットに、赤い色が新しく足されてて。
それを書いてた昨日の櫻井の姿をまた思い出して。
んで、またあのキスを思い出しちゃって…
ぎゅんっと、またアソコが熱くなった。
だから~っ!
「おはよう、松本。大丈夫だった?」
「うわぁっ!」
その時、突然後ろから声をかけられて。
文字通り、俺は飛び上がってしまった。
振り向くと、そこには今まさに思い出してたヤツの姿。
「なに?どうしたの?」
「あ、いや…別に…」
「昨日、大丈夫だった?」
「え?あ、いや、全然!全然大丈夫じゃないわ!」
「え、マジ?どこ怪我した!?病院行った!?」
「へ…ケガ…?」
「そう!」
「あ…ケガは別に…してない、ケド…」
「あ、そうなの?なんだ~よかった!」
心底安堵したような表情でそう言うと、櫻井はさっさといつもの仲間のとこへと行ってしまう。
え…?
なんか普段通り…?
もしかして
キスのこと気にしてるのって、俺だけ…?