第2章 不言色 ―いわぬいろ―
「俺は……俺も雅紀と付き合いたい…」
「ニノ!!」
「でも…俺……俺は、まだ、翔のこと…」
「いいから!」
「……雅紀…」
雅紀がゆっくりと近付いて来て、俺をすっぽりと包むように抱き締めてくれた。
まるで、揺れる心そのままを、受け入れるよ、って言ってるみたいに…
「……まさき」
「ニノ…今、この瞬間、俺はニノが好きで、ニノも、俺の事…嫌いじゃなくて…」
「嫌いじゃないじゃなくて、好き……だし…」
あれっ?何言ってんのか分かんなくなっちゃった///
「はははっ…ありがと♪それで始めてもいいじゃん。
これから、ニノのこともっと知りたいし、俺のことも知って欲しいし。」
「…うん…でも、なんか…雅紀、心広すぎ…」
雅紀は俺の顔を覗き込んで、太陽みたいに笑った。
「分からないよ~、俺だけ見ろよ!!なんてさ…独占欲丸出しにするかもしれないよ~?」
「ふふふ…いいよ、別に…それでも…」
言ってから何だか恥ずかしくて目を反らせた。
ああ……
雅紀の腕の中は、何て安心するんだろう?
会ったばっかりなのに…
もうずっと前からこうしてるみたいな…そんな感じで。
「ニノ…これから時間ある?」
「これから?」
「うん…予定、あるのかな?と思って…」
「予定は特に…帰ってゲームするくらいかな?」
「じゃ、俺と出掛ける?」
「雅紀と?これから??」
「うん…」
気のせいか、雅紀の耳が薄っすら赤くなってて…
「もう~///これでも、デートに誘ってるつもりなんだけど」
デート…
「あんなこと、散々しといて、今更初デートって言うのも、何か照れるけどさ~…明るいとこ出掛けようよ!」
雅紀……
なんだよ…泣きそうになるじゃんか…