第2章 不言色 ―いわぬいろ―
「…ねえ、動いても、いいよ…」
「…だ、大丈夫?」
唇を噛みしめて頷く俺に、雅紀も小さく頷いて、
「…じゃ、いくよ…」
腰を抱え直して、雅紀の抽挿がゆっくりと始まる…
始めはお腹の奥が苦しく感じていたけど、硬い尖端がある一点を掠めた瞬間、
「あっっ///やっ」
電流が流れたように身体が跳ねた。
「…どう?…」
「……」
「…いい?もっとシテ欲しい?」
恥ずかしい…でも…
「シテ…もっと、そこ…いっぱい擦って…」
言ってから、耳が一気に熱くなるのが分かった
きっと顔も赤いんだろうな…
「了解!一緒に、天国行こうよ…」
天国…って…
その言葉に、思わず笑みが漏れたのも束の間、
ギリギリまで抜いて、一気の最奥まで送り込まれるその質量に、自然と声が漏れてしまう
「…ん…ぁ…ああっ…まさ、き…」
「…ニノ…」
「…ア、アッ…まさき…変になるよ…」
「見せて…ニノの、全部…」
……きっと俺は、この瞬間…
この瞬間だけは、あの人の事は忘れていた。
ただ今…目の前にある快楽だけを追い求める、一人の男でしかなくて…
「…ああ…もっと、もっと…もっと奥まで、シテッ…」
「アアッ…ニノ…堪らない、よ…俺、もう、無理…かも」
苦しそうに目をぎゅっと瞑る雅紀が、例えようも無い色香を放ってて…
「イイ…気持ち、いいよぉ~…」
「ニノッ!…いくよ!」
「…うん…きて!」
結局、無理とか言いながら、それから結構攻められ続け…
自分で扱いてた『おれ』から、飛沫が飛び散るのを見たときは、もう半分意識が無いくらいだった…
その直ぐ後…中で彼の熱がじんわりと広がるのを、確かに感じて…
俺は静かに目を閉じた