第2章 不言色 ―いわぬいろ―
「…じゃ、イレ、るよ…?」
「…ん…」
ゴムを着けようと、少し離れた身体を迷わずに引き寄せる。
「いい…そのまま、きて…」
「でも…」
「…まさきが嫌じゃ、ないなら…」
じっと見下ろすその瞳に、泣きそうな顔した俺が映ってる…
「…ほんとに、いいの?」
「…そんなこと、聞かないでよ…ほら、早く…」
小さく頷いた彼が、ボトルから透明な液体を出して掌で滾りに纏い、
熱く誘う俺の後ろに押し当てた瞬間…
目尻を熱いものが滑り落ちた。
「…んああっ…い゛…」
久々に感じる強烈な圧迫感と焼けるような痛みに、思わず反射で身体がずり上がる。
そんな俺の腰を抱え直し、
「…ニノ…無理だよ…俺もう、止めらんない…」
切羽詰まったような…
それでも優しい響き……
「だい、じょうぶ…だから…もっと、奥まで…きて…」
「ニノ!!」
ゆっくりと…雅紀が俺の中に入ってくる…
止められない、何て言いながら、
俺の様子を見ながら…少しずつ…でも確実に…
「…ああ…ニノの、中…凄い…きつくて、熱い…」
「…まさき、まさ…き…」
零れた涙を、そっと唇で追いかけて拭ってくれた。
久々にソコに感じる、圧倒的な存在感…
詰めていた息をゆっくり吐いて、脚を雅紀の腰に絡めた。
「…なんか…絡みついて、くるんだけど…ニノの、ここ…」
「…えっ…そんなの、分かんないよ…まさき、大き、すぎな~い?」
「だって…ニノが可愛くって…もう、俺、さっきから、余裕ないもん…」
「んふふふ…嬉しい…」
可愛い…って。
そう笑う雅紀は、やっぱり太陽みたいに温かくて…
俺をすっぽりと包んでくれる…
久々に受け入れたソコは、ジンジン鈍く痛むけど、
心は、満たされていた。