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イチオクノホシ【気象系BL】

第2章 不言色 ―いわぬいろ―




俺を呼ぶ人は

みんな俺じゃない誰かを俺に重ねる


そんなの最初っからわかりきってることで


俺はその誰かの代わり


そのことに今まで不満なんてなかったし
ちゃんとそう割り切ってきたつもりだった


それなのに……



「あぁっ…」

内壁を押し広げるように指でかき混ぜると、仰け反って喘いだ。

ニノの中は熱くて、すっごく柔らかくて。

俺の指をさらに奥へと引き入れようとするみたいに、蠢いている。

「あっ、ぁっ…いいっ…」

甘い吐息をひっきりなしに吐く唇を塞ぐと。

背中に回ってきた腕が、縋るように絡み付く。


可愛くて

愛おしくて


でもこんな風にニノを開発したヤツがいるんだと思うと

ドロドロしたものが溢れてきて


身体んなか、いろんな感情でいっぱいになる


こんなこと今まで一度もなかった

どんなにイケメンに抱かれても
どんなに可愛いこを抱いても

心の中はひどく醒めていた


そうしないと

生きていけなかったから


それなのに……


「あっ…あぁっ…ひゃぁっ…」

奥まで指を進めて、ソコを指先が掠めた瞬間。

ニノの身体がびくんっと大きく跳ねた。

「ここ…ニノのイイトコ?」

そこを何度も刺激してやると、びくんびくんと何度も跳ねる。

「やっ…だめっ…おかしく、なるぅっ…」
「いいよ…?もっと乱れてよ…?俺、もっともっと乱れるニノが、見たい」


やめとけって、頭のなかでもう一人の俺が叫ぶけど

もう止められない


止めたく、ない


「あっ…まさきっ…まさきっ…」
「ニノっ…」
「まさきっ…も、ほしいっ…」


もう

誤魔化せない


「ニノ…」


出会ったばかりだ、とか
俺たちの関係とか

お互いのこと、まだよく知らないとか


そんなの関係ない


俺は……


「好きだよ、ニノ」


それはいつものリップサービスじゃない

初めての本気の言葉


俺の想い

届くかな…?


願うように、瞳を見つめると。

不意に、その仔犬みたいな瞳が潤んで。

「…ねえ…もう、きて…」

俺の想いも受け入れてくれるみたいに。

自分から足を開いてくれた。

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