第2章 不言色 ―いわぬいろ―
「…あ、ごめ…」
「…まさき」
慌てて離そうとする手を、今度は俺が握った。
「えっ??」
「……俺、雅紀のこと…もっと知りたい…」
「…ニノ…」
「この前みたいに、途中でダメになっちゃうかもしれない、けど…だけど、俺…」
「ニノ!」
不意にタックルされて後ろにひっくり返った。
「ちょっ…」
「ニノ…俺、ずっと気になってた。また一人で泣いてるんじゃないか?震えてるんじゃないか?って…
そう思ったら、いてもたってもいられなくって。
でも、俺、連絡先知らないし…」
「雅紀…」
「待ってたんだ、ニノがまた俺をレンタルしてくれるの…また、会いたいって…ずっと…」
彼が紡ぐ優しい言葉に、涙が浮かぶ。
「あ~、なんか重いか、こういうの…」
「そんなことない…嬉しい…」
「ニノ…」
絡み合う視線…さっきと違って、雅紀のその綺麗な瞳の奥に見つけた欲情の焔…
「…して…欲しい…雅紀に…」
そんな言葉がこぼれだしたことに、自分が一番驚いてる。
「…ニノ……」
熱っぽい潤んだ瞳に、俺はゆっくりと目を閉じた。
すると、雅紀は俺の唇に触れるか触れないかのキスをしてから、俺の身体を抱き上げた。
「ベッド、いこ♪」
太陽みたいなその笑顔に、また胸がきゅんって鳴った。
お姫様抱っこされた俺は、大切にベッドに下ろされた。
「今日は、リクエスト受け付けないよ?
俺、実は今、そんな余裕ないから…」
「…うん…」
「大切に…する、から…」
「……まさき!」
もう~///きゅんなんてもんじゃない。
俺の中にある乙女の心鷲掴みされて…
堪らず、その首に両腕を伸ばしてしがみ付いた。