第2章 不言色 ―いわぬいろ―
【ニノside】
頭ん中でごちゃごちゃ考えて、言い訳ばっか探してた。
だけど、相葉さんの顔を見た途端に、
そんなのぱあ―って、どこかに飛んでっちゃった…
そんな感じ……
彼にふうわり抱き締められた瞬間、
気づいたんだ。
やっぱ俺、この人のこと好きだ、って。
翔から相葉さんに……
そんな簡単にいかないし、
行けばむしろ楽なんだろうって思うけど…
相葉雅紀という人を、
もっと知りたいって思う気持ち、認めてあげたいんだ。
何よりも、抱き締められて、胸の奥が『きゅん』って…
女子みたいな音をたてるんだ。
これってさ。
……そういうこと、だよね?
部屋に入ってきてすぐ、シャワーしに行ったけど。
……そういうこと、なのかな?
そんなつもりで、
そうなる気で、ここに来た…のかな?
いいじゃん、別に…
彼の腕に任せてしまっても。
どうってことない…
カラダヲ ツナグダケ
自分がこんなに女々しいやつだったってことに、
このタイミングで気づくなんてな~
俺にとって…
翔は初めての人だったし。
初めてもなにも、
翔しか知らない訳で…
そんな俺が、会ったばかりの相葉さんに、簡単に許してしまえるんだろうか?
…………
ああああ、またぐるぐるしちゃってるよ~!!
俺って、どうしてこう…
その時、彼がテーブルに置いた小さな黄色いレジ袋が目に入った。
いかにも、今買ってきました的なその袋…
何が入っているのか興味が湧いて…
恐る恐る近付いて覗いたその瞬間、
「おっ待たせぇ~!」
大きな声にびっくりして、袋をカーペットに落としてしまった。