第2章 不言色 ―いわぬいろ―
【ニノside】
平気だって…
そう思ったのに…
身体だけの快楽を求める行為でも、それに夢中になれれば、忘れられると思ったんだ…
その間だけでも……
彼のこと………
なのに。
相葉さんの施す刺激に、身体が熱くなればなるほど……
逆に心は冷たく、凍っていった。
刺激されて思わず漏れる自分の声に…
はち切れそうに反応してしまう下半身に…
『俺はいったい何をしてるんだ?』
この手は、翔じゃないのに、
俺は、どうして……
その思いばかりが繰り返されて…
相葉さんの目の前に晒されてしまった、欲情の証…
咥え込まれ、尖端に僅か。
彼の舌先が絡んだ途端に、射精してまった。
心と身体が引き裂かれそうだった。
泣きじゃくる俺の頭を、相葉さんはずっと撫でてくれていた。
子どもにするみたいに…
黙ったまま…何度も何度も……
少しずつ……
肌に感じる相葉さんの体温に、
心が溶けていく…
なんだか、
春風に包まれているみたいな…
そんな優しさが心地よくて…
俺はいつの間にか眠っていた
あの日から…
こんなに穏やかな気持ちで眠りに落ちたのは、初めてだった。
「おはよ♪」
「………」
えっ?…嘘っ…俺!!
慌てて飛び起きようとしたら、また背中を引き寄せられて、彼の胸に抱き留められた。
気がつくと、俺も彼も
一糸纏わぬ姿のままで…
急に心臓がドクンと跳ねた。
だってさ、
抱き寄せられた俺の腹に、
相葉さんの……あいばさん、が…
「…あの…俺…」
「よく眠れた?」
「えっ?……あ、うん…」
すると彼は、それならよかった♪
と俺の身体を離して立ち上がった。
無駄のない引き締まった身体…
思わず目がいってしまった『あいばさん』は、重力に逆らって揺れた。