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イチオクノホシ【気象系BL】

第2章 不言色 ―いわぬいろ―




俺はホテルのベッドに所在なげに座っていた。

シャワーも済ませた。

準備万端過ぎる自分が妙に恥ずかしくて、何をしているのが正解なのか分からなくなっていた。


……………


そうだ。
ビールでも飲んでようか。

そう思って冷蔵庫を開けた瞬間、部屋のチャイムが鳴った。

……き、来た!

緊張を紛らわすために深呼吸して、ドアを開けた。

「どうも。二宮さん?相葉です」
「ど、どうぞ…」
「お邪魔します!」


この人が……
緑の……あいば まさき…


「わあ〜、こんな可愛い人で嬉しいなぁ〜♪夕べなんか、ゴリゴリの…
あっ、すみません!最初にシャワーさせてもらっていいですか〜?
えっと、バスルームは…こっちかな?」

固まる俺を残して行こうとし、慌てて戻ってきた。

「えっと、ごめんね!何か舞い上がっちゃって。今日は、エッチでいいんだよね?」

「え、エッチ、って…」
「違うの?」
「…いや、違わない、けど」

「あー、よかった!いろいろ段取りすっ飛ばしちゃって。ホントごめんね!
えっと、……これ…」

そう言いながらリュックから出した紙を俺に手渡した。

「二宮さんのリクエストでやりますので、どれがいいです?」

どれが……って…


相葉さんがくれたそこには、

***********

1. 今夜の俺は、

① 受け ② 攻め

2. シチュエーション

① ワイルド系
② にゃんにゃん系
③ ソフトなホスト系
④ 朝までノンストップ
⑤ その他のリクエスト

***********


紙をじっと見ている俺に、

「ホントはもっとあったんだけどね〜こんなにあってもえらべねぇわ!って苦情がさ。
他でも、二宮さんの好きなのあったら遠慮なく言ってね!頑張るから!俺」


………

ホントは④って言いたいところだけど。こいつスゲーエロいじゃん!
って思われてもなんだし…

とりあえず、無難な…

「じゃ、②の①…で…」

「OK♪ワイルドに攻めちゃうよ〜!」

…ワイルドな、攻め…
ヤバい。顔が赤くなった…

「あ、そうそう!二宮くんのことは何て呼べばいい?」

「…カ……ニノ、で」

「じゃ、ニノ♪シャワーしてくるわ!待ってろよ!」


……もう、始まってんのかな?

俺を指差しながら、相葉さんはバスルームに消えた。


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