第1章 協奏曲 ─concerto─
【翔side】
一晩で3回は久々で、
約束の『朝エッチ』に若干の不安はあったけどね…
夜の肉も功を奏したのか、しっかりかっちり朝から元気な『おれ』は、ちゃんと智くんを満足させることが出来た。
……と思う…
11時のチェックアウトギリギリまで、ホテルでゆっくりイチャイチャし…
帰りにお気に入りのベーカリーで玉子サンドを買ってマンションに帰って来た。
「あ~、楽しかったね♡」
「そうだね~、ちょっとしたキャンプ気分も楽しめたし…」
「翔ちゃん!!ありがとね♡」
背中から抱きつかれて、一瞬体勢を崩したけど…
何とか、智くんのタックルを受け止めることができた。
「…智くん、これからもよろしくね…」
背中の愛しい塊に、そう声をかけると、前に回り込んできた彼は、
「こちらこそ♡」
と、俺の首に両腕を回して唇を押し当ててきた。
甘くて可愛いそれを受け止めながら、薄い背中を抱き寄せたその時…
ぐううぅぅ~……
ムードのカケラも無い音が無情に響いた。
「……智くん、もう腹減ったの~?」
「…だって、腰が重くて…朝あんまり食べられなかったし…」
確かに。
コーヒーとフルーツしか食べなかったっけ。
折角甘い雰囲気だったけど、まあ、背に腹は代えられないしね…
見ると、部屋の時計も12時を過ぎていた。
「じゃ、お昼にしよっか?」
「…うん♪」
智くんの入れてくれたカフェオレと玉子サンド…
「「いただきますっ!」」
仲良く向かい合ってサンドイッチを頬張る俺たち…
ああ~、なんか、すげ~幸せかも♡…俺。