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イチオクノホシ【気象系BL】

第1章 協奏曲 ─concerto─


朝っぱらから濃厚なディープキスを交わしてると。

いきなり、股間をぐっと掴まれた。

「んんっ…!」

痛いんだか気持ちいいんだかわかんない感覚に、思わず唇が離れちゃって。

翔くんはすっと目を細める。

「なに…もうこんな?」
「…そっちこそ」

俺も負けじと翔くんの股間を掴んだら。

俺よりもっとカチカチに硬くなったモノが、手に触れた。

「なんだ。翔くんのがやる気じゃん」
「…寝起きだからな。仕方ない」

ニヤリと笑って。

両肩をガシッと掴まれたかと思ったら、次の瞬間にはぐりんっと世界がひっくり返る。

「わぁっ…」
「ふふん…油断したな?」

普段は俺のが力強いんだけど、油断してた。

気付いたら、楽しげな翔くんの向こうに、見慣れた天井が見える。

「形勢逆転、だな?」
「ちょおっ…時間っ!遅刻すんだろっ!」
「なに、急に。煽ったのは智くんだろ」

そのまま、首筋に唇を押し付けてくるから。

「ちょっ…マジでっ!ヤバいっての!」
「そんな子供だましの作戦には乗らねぇぞ~?」
「だーっ!もうっ!帰ってきてから、思う存分やらせてやるからっ!」

なんとかこの状況を打破しようと、思わずそんなことを口走ってしまって。

翔くんが、ピタッと動きを止めた。

「…言ったな…?」
「あ…いや、その…」
「じゃあ、今日は俺の好きなように、智くんにあーんなことやこーんなことをしていいんだね…?」

そうして、悪~い顔でニヤリと笑う。

「あ、あーんなことやこーんなことって…なに…?」
「それは、夜のお楽しみ♡」

ビビりながらも訊ねると、今度は朝の光に似た爽やかな笑顔になって。

「さて、朝メシ食おうぜ~。腹減ったわ」

何事もなかったかのように、ベッドを降りていった背中を。

俺は呆然と見つめた。



なんか…

ヤバい約束
しちゃった…かも…?


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