第1章 協奏曲 ─concerto─
「はっ…ぁぁ…」
頸動脈に沿って、ねっとりと舌で舐められると。
押さえきれない声が出た。
「ふ…エロい声…もっと聞かせてよ…」
煽るように、甘い声が耳元で囁いて。
「ん、ぁっ…」
熱い吐息が耳をくすぐって。
また、声が出ちゃう。
「そういや、あの時は全然声、聞かせてくれなかったよなぁ~」
熱い手が、胸を撫で回す。
「は…ぅっ…あの…時っ…て…?」
「ハジメテの時。ずーっと唇噛んで、苦しそうにしてるからさ…感じてないのかと思って、実は焦ってたんだよね…」
「え…そう、なの…?」
「うん」
だってあの時は…
こんな女みたいな声出したら
翔ちゃん、引いちゃうんじゃないかって
怖かったんだもん
「でも、今はいっぱい感じてるってわかるから、嬉しいし。もっともっと気持ちよくしてやろう!って、闘志が湧く」
「んふふっ…闘志?」
「そ。もっともっと、俺のこと好きにならせてやろうって」
そんなことしなくったって
俺はもうこれ以上無理ってくらい、翔ちゃんのこと大好きなんだけどなぁ…
けど、そういう変なとこクソ真面目なとこも
大好きだよ、翔ちゃん♡
「じゃあ…もっともっと、翔ちゃんのこと好きにしてよ」
翔ちゃんの頭を、そっと撫でると。
「おう!ニノなんかには、ぜってー負けねーっ!」
突拍子もないことを言いながら、翔ちゃんは俺の乳首にむしゃぶりついた。
「んぁぁっ…え、ニノ!?」
急な甘い刺激に仰け反りながら、ビックリして首を持ち上げると。
ペロペロと俺の乳首を舐めながら、じとっと睨んでくる。
「なんで、ニノ?」
「この間、手ぇ繋いで歩いてるの、見た」
「へ…?」
この間って、どの間?
「ってか、あいつが手を繋いでくるのなんか、いつのもことじゃん…」
「あんなチビには、ぜってー負けねぇからなっ!」
叫んで、また乳首を舐めてくる。
…俺のこと、いつも嫉妬深いって呆れるけどさ
自分だって一緒じゃん?
まぁでも、そんだけ俺のこと大好きだよって言ってるようなもんだしね
そういうとこ、可愛いなぁ♡
「あぁんっ…翔ちゃん、気持ちいいっ…」
だからさ
俺的、いっちばん色っぽい声で、煽ってあげる♡