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イチオクノホシ【気象系BL】

第3章 Kissから始めよう


【潤side】


櫻井が、フリーズした。


「なぁ…俺、おまえのこと好きなのかな?」

畳み掛けるようにもう一度聞くと。

みるみるうちに、その大きな瞳に涙が溜まってく。

「…櫻井…」


オレンジ色の夕焼けを反射して
キラキラ光る瞳が宝石みたいに綺麗だと思う


「し、知らないよっ…そんなの、自分で考えろっ…!」


耳まで真っ赤に染まった姿が
なによりも愛おしいと思う


「考えたよ、何度も。眠れなくなるくらい」


朝も昼も夜も

バカみたいにずっとおまえのこと考えてる


それはきっと…


「ずっと、櫻井のことだけ考えてる」
「…まつ、もと…」
「おまえは?俺のこと、ずっと考えてる?」

問いかけると。

きゅっと唇を引き結び、小さく頷いた。

その拍子に、大粒のダイヤモンドみたいな涙が零れた。

「…俺のこと、好き?」

また問いかけると。

また小さく頷いて涙を溢す。

「じゃあさ…俺、おまえのこと好きなんだわ」

はっきりと言葉にすると。

モヤモヤしてた気持ちがストンと落ち着いた。


ああ、そっか…


メイド姿を誰にも見せたくなかったのも

まりかちゃんに告白されるのを見たくなかったのも


俺が櫻井のこと好きだったからだ


「…バカ。なんだよ、その言い方」


怒ったように眉を寄せたのも可愛い


「しょうがないじゃん。俺、誰かを好きになったの初めてだもん」
「え…?」


びっくりしたように目を真ん丸にするのも可愛い


人を好きになるって
『可愛い』が溢れることなのかな…?


もっとも
これはこいつ限定かもしれないけど


「だって…今まで付き合った女の子、いっぱいいただろ…?」
「まぁな。でも、全部向こうからコクられたから付き合ってただけ」
「…最低野郎だな…」
「その最低野郎が、好きなんだろ?」

そう訊ねれば、ぐっと言葉に詰まって。

ふいっと顔を背けるから、両手で頬を掴んで無理やり目を合わせた。


潤んだ瞳が、揺れる。


「櫻井…俺、おまえが好きだ。俺と、付き合ってくんない?」



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